テキーラマーケット 2024-2025

第5章 マーケットデータ | 最終更新: 2026-07-31 | 毎年更新

夜明けのアガベ畑で収穫にあたるヒマドール

テキーラ産業の「今」を、CRT(テキーラ規制委員会)とCNIT(全国テキーラ産業会議所)の最新統計から読み解きます。日本語で読める2024-2025年のまとめは、現時点で本記事だけです。

2025年の数字まとめ

4億780万L

2025年のテキーラ輸出量

前年比 +1.24%。世界120カ国以上へ。

出典: CRT(テキーラ規制委員会)CNIT 2025年報告

4.96億L

生産量

2025年・CNIT報告

4.08億L

輸出量

前年比 +1.24%

68%

輸出に占める100%アガベ

プレミアム化が定着

218万t

アガベ使用量

前年比 +21%

出典: CNIT 2025年報告CRT(テキーラ規制委員会)

輸出4億780万Lの内訳 — 3本に2本は100%アガベ
100%アガベ: 27,862万L(68%) 68% ミクスト: 12,937万L(32%) 32%
  • 100%アガベ — 27,862万L
  • ミクスト — 12,937万L
かつて主流だったミクストは3割まで後退。世界の飲み手が「原料と製法」で選ぶようになった結果です。
出典: CRT(テキーラ規制委員会) 2025年輸出統計
輸出量の推移(百万L)
2018年: 224 百万L 2018年 224 百万L 2024年: 402.7 百万L 2024年 402.7 百万L 2025年: 407.8 百万L 2025年 407.8 百万L
7年で1.8倍。ただし2024→2025の伸びは+1.24%と、明らかに踊り場に入っています。
出典: CRT(テキーラ規制委員会) 年次輸出統計(2018年値は同統計より)
CRT認証の登録数(2025年)
国内ブランド: 2,525件 国内ブランド 2,525件 海外ボトリング: 812件 海外ボトリング 812件 プロデューサー: 360件 プロデューサー 360件
ブランドは3,300以上あるのに、実際に造っている蒸留所は360。1つの蒸留所が多数のブランドを製造しています。
出典: Tequila Tracker(CRTブランドリスト集計・2025年)

トピック1: アガベ価格の暴落

ブルーアガベのロゼットの接写(現地撮影)

ブーム期に1kgあたり30〜35ペソまで高騰したアガベ・アスルの価格は、2.5〜3ペソ、投げ売りでは1ペソまで暴落しました。テキーラブームを見た新規参入で農家数が2014年の3,100から2024年には42,000超へと13に増え、作付けが需要を大きく超えたためです。

アガベ畑でピニャを収穫するヒマドールたち
価格が崩れても、収穫の手間は変わらない。イメージ写真です。
アガベ・アスルの取引価格(1kgあたり・ペソ)
ブーム期のピーク: 35 ペソ ブーム期のピーク 35 ペソ 2024年末(ロス・アルトス): 3 ペソ 2024年末(ロス・アルトス) 3 ペソ 投げ売り時: 1 ペソ 投げ売り時 1 ペソ
生産コストを大きく割り込む水準まで下落しました。
出典: France24SCMP(2025年報道)
アガベ農家の数 — 10年で13倍
2014年: 3,100軒 2014年 3,100軒 2024年: 42,000軒 2024年 42,000軒
高値を見た新規参入が供給過剰を生み、そのまま価格暴落に直結しました。
出典: France24SCMP(2025年報道)

アガベは植えてから収穫まで6〜7年かかります。価格が高い時に植えたアガベが安くなってから育つ — この宿命的なタイムラグが、テキーラ産業に約10年周期の価格サイクルを生んできました。いまは「供給過剰の谷」の真っ只中です。

飲み手への含意: 原料が安い局面でも、契約農家を守り続けるブランドがあります。どの蒸留所が誰からアガベを買っているか — それも銘柄選びの物語のひとつです。

トピック2: 米国の飽和、アジアの成長、そして日本

  • 世界輸出は2023年に13年ぶりの前年割れとなった後、2024-2025年は横ばい〜微増(+1.24%)。最大市場・米国の在庫調整と消費の踊り場が主因です
  • 対照的にアジアは成長市場。2024年上半期の対アジア輸出額は前年比+49%でした
  • 日本は2023年に輸入量を前年比+53.6%と大きく伸ばし、輸出先ランキング10位から8に浮上(約220万L)。世界が踊り場の中で日本のテキーラブームが際立っています

この記事の更新について

本記事は毎年、CRT/CNITの年次発表(例年1〜3月)と貿易統計をもとに更新します。数字の背景をもっと知りたい方は、アプリ内の銘柄データベースで「どの蒸留所の何が日本に入っているか」を眺めてみてください。統計が、急に自分ごとになります。

主な出典: CNIT 2025年報告(Líder Empresarial)CRT公式France24(アガベ価格)JETRO地域レポート(対日輸出)/ Tequila Tracker(NOMリスト集計)